睡眠不足とニキビの関連性を解析!
睡眠不足が肌に良くない…というのは、もはや常識。それも、単に肌荒れを起こすといったレベルではなく、慢性睡眠不足はニキビに直結してしまいます。こちらでは睡眠不足とニキビの関連を詳しく解説してまいりますので、ニキビ肌に悩んでいる方は是非ともチェックしてみてください。
基本的にダメージを受けた肌は睡眠中にケアしていきますから、睡眠リズムが乱れれば肌のケア力は大きく低下。さらに、睡眠不足そのものが大きなストレスとなり、自律神経系の交感神経が優位になってしまいます。ストレスによって交感神経が活発になると男性ホルモンが大量分泌されてしまい、肌バリア機能が破綻し皮脂分泌量が増加してニキビが発生しやすくなってしまうのです。
男性ホルモン過剰分泌が引き起こす悲劇
それでは、なぜ皮脂の過剰分泌が起こるのかについて考えてみましょう。原因は複数ありますが、ここでは男性ホルモンの過剰分泌によって引き起こされる皮脂過剰を取り上げることにします。ストレスによって交感神経が優位になると、男性ホルモンの生成が促されてしまうのですが、実は男性ホルモンには皮脂過剰を招き、さらに角質の柔軟性を失わせて角栓の詰まりを誘発する作用があるのです…。ニキビは毛穴が角栓で詰まり、そこに皮脂が溜まってしまうことによって発生しますから、男性ホルモンはニキビ発生を引き起こす2つの原因、その両方を招いてしまいます。以上から、ニキビ予防を考える上ではストレスによって交感神経が刺激され、男性ホルモンが増える…という一連の流れを断ち切ることがもっとも重要といえるのです。
単に長く眠れば良いわけじゃない!?
睡眠不足が肌に大きなダメージを与えるのは上に述べたとおりですが、実は長時間寝れば良いというわけでもありません。なぜなら、肌の新陳代謝が活発に行われるのが、入眠から3〜4時間だからです。ニキビ予防を主眼にするなら、寝る時間を増やすことより、入眠後に熟睡し、質の良い眠りを目指すほうが合理的といえます。
眠りの質は何で決まるの?
睡眠には、脳が活動している浅い眠りであるレム睡眠、脳を含めて完全に熟睡しているノンレム睡眠の2つが存在しています。このうち、肌のターンオーバーが行われやすいのはノンレム睡眠の時間。ですから、肌トラブル改善を考える上での“質の良い眠り”というのはノンレム睡眠をしっかり取ることを指しています。入眠から3〜4時間、もっとも肌のケアが活発な時間帯にどれだけ深く眠れるか。それがニキビ予防の根幹であるといっても過言ではありません。
ニキビ改善!眠りの質を向上する2つの知識
それでは、実際に睡眠の質を向上するための方法について考えていくことにしましょう。具体的にはターンオーバーがもっとも行われやすい“肌のゴールデンタイム”を理解すること、そして新陳代謝を活性化するために深いノンレム睡眠を取ることの2つがカナメ。ここからは、肌に良い眠りを実現するための具体的なアドバイスをお送りしたいと思います。
睡眠不足とニキビ〜まとめ
睡眠不足が続くと、肌の再生に必要なターンオーバーが起こりにくくなること、そして睡眠不足そのものがストレスとなってニキビの出来やすい状態に陥ってしまうことの両面から、肌トラブルが起こってしまいます。ニキビ肌を改善するためには、“肌のゴールデンタイムに眠ること”と“ノンレム睡眠を得ること”を重視し、肌再生が行われやすい生活リズムを構築していくことが大切です。
相澤皮フ科クリニック 院長
相澤 浩/ あいざわ ひろし
新しい「大人ニキビ」というフィールドに、追求心と探究心からのめり込んでいきました。初めての試みに、最初は試行錯誤の連続。それでも、こうして大人ニキビ治療を続け患者様から信頼されているのは、ホルモン研究を続けてきた産婦人科専門医としての経験と実績があるからこそです。産婦人科と皮膚科の両方の知識がなければ、成しえなかった結果です。
ストレス社会の現代では、「大人ニキビ」で悩む人がさらに増えていくことが予想されます。これまでに診察をしてきた初診患者は7万人以上。この貴重なデータをもとに、一人でも多くのニキビに悩む方々のために研究を重ねていきます。