体質遺伝によるニキビを研究
両親からの遺伝によってニキビが発症するという噂がありますが、その真偽はどうなっているのでしょうか?肌質、毛穴の状態なども含めて、遺伝による影響がどの程度のものなのかを考えてみたいと思います。ニキビ改善を考える上で、どのような要因が影響するのか理解すれば、治療へと役立てることができるはずです。
ニキビになりやすい肌質ってどんな状態?
ニキビになりやすい肌質というのは、どんな状態を指すのでしょうか。1つは肌の代謝機能が低く、ターンオーバーの周期が長い肌質。外部刺激によって肌のバリア機能が壊された時、すぐに再生できれば大きな問題はありませんが、ターンオーバーが遅ければバリア機能が低下したままの状態が続いてしまいます。そうなると、敏感肌になってしまい、ニキビの発生率は高くなるはずです。また、皮脂の分泌量が多い脂性肌の方はニキビが悪化しやすくなってしまいます。
毛穴の状態もチェック!
肌質と同時に確認してほしいのが、毛穴の状態です。ニキビというのは毛穴に角栓が詰まり、その中に皮脂が溜まってしまうことで発生するもの。今までに、毛穴に白い角栓が詰まっている状態になったり、汚れがたまって黒くなっていたりする状態になったことがある方は、毛穴詰まりを起こしやすい可能性が高いです。逆に言えば、毛穴の出口さえしっかり開いていれば、皮脂分泌が多くてもニキビになることはありません。
遺伝とニキビの関係分析〜まとめ
ニキビが遺伝するという噂がありますが、厳密には誤りです。あくまでも、ニキビになりやすい肌質を親から受け継ぐ可能性があるに過ぎません。家系的にニキビの方が多いとしても、きちんとケアしていれば予防することは可能です。縮小した毛穴に角栓が詰まり、内部に皮脂が溜まるというニキビのメカニズムを理解していれば、予防、改善することは難しくありません。
相澤皮フ科クリニック 院長
相澤 浩/ あいざわ ひろし
新しい「大人ニキビ」というフィールドに、追求心と探究心からのめり込んでいきました。初めての試みに、最初は試行錯誤の連続。それでも、こうして大人ニキビ治療を続け患者様から信頼されているのは、ホルモン研究を続けてきた産婦人科専門医としての経験と実績があるからこそです。産婦人科と皮膚科の両方の知識がなければ、成しえなかった結果です。
ストレス社会の現代では、「大人ニキビ」で悩む人がさらに増えていくことが予想されます。これまでに診察をしてきた初診患者は7万人以上。この貴重なデータをもとに、一人でも多くのニキビに悩む方々のために研究を重ねていきます。