乾燥の原因は男性ホルモンかも!?
男性ホルモンが肌の乾燥を誘発しているという説があります。根拠の1つは、ニキビをはじめとした肌トラブルに悩んでいる患者の血清から男性ホルモンが多く検出される傾向にあること。もう1つは、男性ホルモンの影響を受けやすいUゾーンや口周りのほうが乾燥していることです。この結果から、男性ホルモンが乾燥と関係があると推察できます。
肌バリアが低下するリスク
肌の角質層が乾燥するとバリア機能が破綻してしまいます。バリア機能が低下すると異常角化によって角栓が出来やすくなり、ニキビの原因…毛穴詰まりを起こしやすくなりますし、角質層のバリアが弱ると肌表面を保護するために皮脂膜を張ろうとして皮脂の分泌量が増えてしまいます。毛穴が詰まって、そこに皮脂が溜まるのがニキビですから、肌バリアの機能低下はニキビの根本原因といっても過言ではありません。
肌の乾燥を引き起こすのは冬?夏?どっち?
世間一般では空気が乾燥する冬のほうが乾燥しやすく、むしろ夏は脂性肌に注意するべき…といったイメージがあるようですが、実は季節を問わず乾燥肌のリスクは存在しているのです。こちらでは、冬、夏の季節ごとに注意点をまとめ、肌バリアを維持するためのアドバイスを提供してまいりたいと思います。
保湿対策の重要性
肌バリアの機能低下が数々のトラブルを生むのは前述のとおり。…となれば、如何にしてバリア機能を維持するかが最重要ということになります。要するに、乾燥するとバリア機能が落ちるのですから、徹底的に保湿ケアをすれば、バリア強化が見込めるのです。季節を問わず、常に保湿対策を行うことがニキビ対策と考えて間違いありません。
実は子供より湿潤?大人の肌事情
ちなみに、最近の研究では、肌の水分量は子供の頃のほうが少なく、大人になるにつれて増加していることが分かりました。これまでは“子供の水分量は80%、大人は65%”などと言われていましたが、それは身体全体の水分量の話。肌だけに関していえば、大人のほうが水分量は多く、それゆえに水分不足が起きた場合のダメージも著しいようなのです。是非とも日頃から水分量維持を念頭に置いた保湿ケアを続けていきたいですね。
乾燥によって生じる大人ニキビ〜まとめ
大人ニキビ最大の原因は、肌のバリア機能が低下してしまうことです。そして、バリア機能を破綻に追い込む理由は、乾燥によって角質層の水分が失われること。これらを総合的に加味すると、乾燥を防ぐことがニキビ予防における最大の対策ということになるでしょう。また、男性ホルモンにも肌を乾燥させる作用があるため、男性ホルモン分泌につながる心理的ストレス、物理的ストレスを避け、女性ホルモン優位の状態を保つことが重要といえます。
相澤皮フ科クリニック 院長
相澤 浩/ あいざわ ひろし
新しい「大人ニキビ」というフィールドに、追求心と探究心からのめり込んでいきました。初めての試みに、最初は試行錯誤の連続。それでも、こうして大人ニキビ治療を続け患者様から信頼されているのは、ホルモン研究を続けてきた産婦人科専門医としての経験と実績があるからこそです。産婦人科と皮膚科の両方の知識がなければ、成しえなかった結果です。
ストレス社会の現代では、「大人ニキビ」で悩む人がさらに増えていくことが予想されます。これまでに診察をしてきた初診患者は7万人以上。この貴重なデータをもとに、一人でも多くのニキビに悩む方々のために研究を重ねていきます。