ニキビを引き起こす細菌を徹底分析!
ニキビが発生する要因の1つは原因菌の繁殖です。こちらではニキビ菌の特徴を詳しく解説して、ニキビの悪化を防ぐ方法を考えていくことにしましょう。ニキビが悪化するメカニズムを詳しく知り、ニキビ予防、ケアの秘訣をしっかりと理解することが、美しい肌をキープするための第一歩といっても過言ではないのです。
原因菌がニキビを生成するメカニズム
それでは、アクネ菌、マラセチア菌といったニキビ菌がどのようなメカニズムでニキビを引き起こすのか?ニキビ菌というのは常在菌の一種で、すべての人の皮膚に住んでいるものです。だからといって、100%ニキビを発症するわけではないのです。いくつかの条件が揃わなければ、原因菌が毛穴の炎症を引き起こすことはありません。逆にいえば、それらの条件を満たさないよう注意していれば、炎症を起こしてニキビになるということはないのです。
根本原因は毛穴詰まりの発生!
ニキビの原因菌であるアクネ菌、マラセチア菌はいずれも嫌気性と呼ばれる性質を持っており、空気に触れることを苦手としています。ですから、空気に触れやすい環境では増殖することがないのです。角栓によって出入り口が塞がれた毛穴の中に好んで住みつくのは、まさにこれが理由。さらにニキビ菌は好脂性という特徴もあり、油脂を非常に好みます。毛穴の中にはどんどん皮脂が溜まっていきますから、まさに原因菌にとって最適の環境になるのです。
肌バリア低下と皮脂過剰分泌を防ぐことが第一
乾燥によって角質層の水分が失われるとラメラ構造を維持できなくなり、バリア機能は破綻し、角質がバラバラとはがれ落ちるようになってしまいます。さらに、詰まった毛穴に大量の皮脂分泌が起こるのは、男性ホルモンと乾燥の両方が原因。男性ホルモンには皮脂分泌を促す作用があり、乾燥によって角質層のバリア機能が低下すると、肌を保護するため表面に皮脂膜を張る性質があります。こうして、ニキビ菌の異常増殖に最適な環境が揃ってしまうわけです。
ニキビ菌の増殖を止めるには、保湿&女性ホルモンがカギ!
以上を踏まえると、女性ホルモン優位の状態を保つことで毛穴収縮、皮脂過剰を防げることが分かりますね。男性ホルモンはストレスを感じたときに分泌されやすくなりますから、精神面、環境面を含めてストレスフリーな生活習慣にシフトすることが必要になるということです。保湿ケア、女性ホルモン優位を導く生活習慣の2つを実現できていれば、肌にそれだけのニキビ菌が生息していようと、ニキビが多発することはあり得ないのです。
ニキビを引き起こす細菌対策〜まとめ
原因菌には、顔ニキビを引き起こすアクネ菌、身体ニキビを引き起こすマラセチア菌の2種類が存在しています。いずれも、 “角栓によって詰まった脂毛穴”は増殖にうってつけの環境…。そこで、ニキビ菌の居場所を作らないことが予防の第一歩ということになります。そのためには女性ホルモン優位の状態を保つこと、肌を徹底的に保湿することの2つが有効ですから、ホルモンバランスを整える治療と保湿ケアを組みあわせることが、もっとも効果的な治療法といえます。
相澤皮フ科クリニック 院長
相澤 浩/ あいざわ ひろし
新しい「大人ニキビ」というフィールドに、追求心と探究心からのめり込んでいきました。初めての試みに、最初は試行錯誤の連続。それでも、こうして大人ニキビ治療を続け患者様から信頼されているのは、ホルモン研究を続けてきた産婦人科専門医としての経験と実績があるからこそです。産婦人科と皮膚科の両方の知識がなければ、成しえなかった結果です。
ストレス社会の現代では、「大人ニキビ」で悩む人がさらに増えていくことが予想されます。これまでに診察をしてきた初診患者は7万人以上。この貴重なデータをもとに、一人でも多くのニキビに悩む方々のために研究を重ねていきます。